ここでは必要な服装や道具の一般的なケースについて解説します。吹奏楽部は学校によって部活動の規模なども様々ですので、必要な道具も変わってきます。学校で一括購入する道具もありますので、購入前にはご確認くださいね。
【学校で一括購入】
- 練習着(Tシャツ・パンツ)
- ステージ衣装・マーチングバンド衣装
【個人で購入】
- 楽器(購入の必要がない場合もあります)
- チューナー
- 譜面台
- 楽器お手入れセット
- 楽譜ファイル
【状況に合わせて買うもの】
- 楽器別に必要なもの(リードなど)
- 教本
さらに、以下では詳しいアイテム説明をしていきます。
【学校で一括購入】
練習用のTシャツなどは同じものを着用するため、学校で一括購入して後日料金を支払う場合が多いでしょう。
1)練習着(Tシャツ・パンツ)
「吹奏楽部に練習着がひつようなの?」と驚かれる方もいると思います。吹奏楽部は文化系の部活ですが、数ある文化系の部活の中でも最も運動部に近い部活動とも言われています。楽器の演奏に必要となる体力や肺活量、腹筋などを鍛えるために走り込みや筋トレをおこなう吹奏楽部も少なくありません。
また1年を通して最も大きな吹奏楽コンクールは例年夏に開催されるため、夏に練習量が増加するのが一般的です。そのため制服での練習よりも練習着があったほうが楽ですし、洗濯などの洗い換えも簡単です。
●料金の目安/練習着Tシャツ1500〜2000円・パンツ2000円
2)ステージ衣装・マーチングバンド衣装
吹奏楽部は演奏会やイベント出演時にステージ用の衣装が必要な場合があります。学校に一式揃っている場合には、新しく購入しなくてもいい場合もあります。また演奏する曲のイメージに合わせて生徒や保護者が手作りをすることもあります。ステージの演奏時に学校の制服を着用して衣装の準備が必要のない学校もあります。
吹奏楽部でマーチングバンドもおこなう部もあります。マーチングとは吹奏楽の演奏スタイルのひとつで、行進したり隊列を作ってり動きながら演奏をします。吹奏楽部の中には吹奏楽のみの活動の場合と、マーチングの活動も並行しておこなう部があります。マーチング活動がある場合には、マーチングチームでお揃いの衣装を着るのが一般的です。学校に一式揃っていて借りることもありますが、個人個人で自分用の衣装を購入する場合もあります。
●料金の目安/マーチングバンド衣装ジャケット5000円〜・スカートやスラックス4000円〜
【個人で購入】
消耗品や個人使用の用具などは、担当する楽器によって種類が変わってきますので、担当楽器が決定してからの購入になります。
1)楽器
吹奏楽を始めることになった時に一番気になるのは、楽器を買わないといけないのか、楽器はどのくらいするのかですよね。吹奏楽では自分の楽器をMy楽器(マイがっき)と呼びますが、決して全員がMy楽器持っているわけではありません。My楽器を購入するかどうかは、学校によって様々です。ただ部員数が多い場合には楽器が足りず、希望の楽器を演奏したい時にはMy楽器の購入が必要なこともあります。
また演奏が上達すると学校の備品の楽器では満足できなくなりMy楽器を欲しがるようになる子供もいます。楽器は種類やグレードによって価格の幅も大きいのですが15〜30万円ほどはかかりますので、部活の顧問の先生などとも相談してどの楽器にするのか検討をするのが良いですよ。
●料金の目安/楽器による15〜30万円ほど
2)チューナー
チューナーとは楽器の音程を確認して合わせるための機械です。楽器は正しい音程に合わせることが必要ですので、毎回練習前や練習の途中に音程をチューナーでチェックします。学校の備品でチューナーがあり借りられる場合もありますが、毎日使用するものなので自分用のチューナーを購入するのが一般的です。
チューナーは種類が多く、どれを購入すれば良いのか迷いことが多いですが、同じ楽器担当の先輩にアドバイスをもらうと確実ですよ。オススメなのはメトロノーム機能が付いているチューナーです。個人練習でリズムを確認したい時にチューナーとメトロノームを持って移動すると荷物が多く大変ですが、メトロノーム機能が付いていればチューナーだけで済みます。
また、チューナーにマイクがあるとチューニングが素早くできるので便利です。ひとつの部屋で全員で一斉にチューニングをするタイミングがあり、その場合でもマイクがあれば他の楽器の音を拾わずに自分の楽器のチューニングを正確におこなうことができます。マイク付きのチューナもありますし、オプションで別売りのマイクを購入することもできます。
●料金の目安/チューナー2000円〜
3)譜面台
譜面台は楽譜を立てておく台のことです。全員で演奏する合奏、同じ楽器パートで練習するパート練習、個人練習のどれもで譜面台は使用しますので、個人で自分用を購入することがほとんどです。譜面台を選ぶポイントは、軽さ・丈夫さ・コンパクトさです。パート練習などでは楽器ごとに練習場所が分かれるので、重い譜面台だと移動が辛くなります。また意外と倒したり、曲がったりすることが多いので丈夫なものを選びましょう。学外のイベントなどに持ち出すこともある場合には、コンパクトにたためて持ち運び用のケースが付いていると重宝します。
●料金の目安/譜面台2000円〜
4)お手入れセット
楽器は毎日のお手入れが必要です。使用後のお手入れが不十分だと楽器が傷んで音が悪くなることもあります。お手入れには、いくつかのグッズを使用しますが、初心者用に必要なお手入れ用品が一通りセットになったものがあります。お手入れセットの中身は、ピストンの動きをよくする潤滑剤とサビ防止のためのオイル・スライド部分や楽器の継ぎ目の動きをよくするグリス・管楽器の中の水分を拭くスワブ・表面の汚れを取るクロス・キイの水分を取るクリーニングペーパーなどです。これらをまとめて入れることができるケースや巾着袋も付属しているので、とても便利です。
多くの場合、このお手入れセットを最初に購入し、オイルやペーパーなどの消耗品がなくなったら各自で買い足します。オイルひとつとってもお手頃な値段のものから高級品まで様々ありますが、まずはお手入れセットのものを使用すれば問題はありません。お手入れセットは各楽器ごとに専用のものがありますので、購入する場合には間違えのないようにしましょう。
●料金の目安/お手入れセット3500円〜
5)楽譜ファイル
新しい曲を演奏する際には楽譜が配られます。曲の長さによって楽譜の枚数も様々ですが、演奏する曲が増える度に楽譜はドンドン増えていきます。楽譜の管理をするために楽譜ファイルはとても便利です。普通のA4のファイルを使用する方もいますが、楽譜に書き込みをする際にいちいち楽譜を取り出す必要があったり、ビニールに照明が反射して見えにくかったりするデメリットがあります。楽譜の保管や整頓する場合にはいいですが、練習中や演奏時には不向きです。
楽譜ファイルは楽譜の全面を覆ってはいないのでファイルのまま書き込むことができ、反射の少ない材質を使用しているのでクリアに見ることができます。学校によっては楽譜ファイルを使用せずに、スケッチブックに楽譜を貼る場合もあります。スケッチブックに楽譜を貼るので余白などにメモを取れ書き込みも可能で、なにより安価です。ただデメリットとしてはスケッチブック自体が紙を綴じたものなので重いです。楽譜の取り扱いは学校ごとに違うので確認してみましょう。
●料金の目安/楽譜ファイル1500円〜・スケッチブック300円〜
【状況に合わせて買うもの】
1)楽器別に必要なもの
吹奏楽部で使用する楽器は、大きく分けて3つあります。木管楽器・金管楽器・打楽器(パーカッション)です。クラリネット、サックスは木管楽器といい、リードという植物の葦(あし)で作られたプレートのようなものを振動させて音を出します。このリードは楽器によって専用のものがあり、さらに厚さなども細かく分かれていますので、自分にあったリードを用意する必要があります。最初は顧問の先生や先輩にオススメを教えて貰えば問題ないでしょう。演奏をしていくうちに、自分にあったリードがわかるようになります。リードは消耗品なので、一生懸命練習をすればするほど頻繁に交換が必要になります。耐久性が高い樹脂製のリードもありますが、学校によってはリード類をまとめて購入することもありますので、個人でリードを準備するのか確認しましょう。
●料金の目安/リード10枚入り3000円〜
金管楽器はトランペットやホルンなどで、唇を振動させて音を出します。唇を押し当てる楽器の部分をマウスピースといいます。学校によっては金管楽器の担当になったらマウスピースを購入をする場合もあります。このマウスピースは楽器から取り外すことができ、初心者はマウスピースを持ち帰って練習することができますので、上達したいなら自分のマウスピースを購入する方が良いでしょう。マウスピースも楽器ごとに専用のものがあり、グレードも様々なので先生や先輩にアドバイスをもらうといいですよ。
●料金の目安/マウスピース5000円〜
打楽器は大太鼓や木琴、鉄琴、タンバリンなど多種多少な楽器を演奏し、その種類は1100種以上もあると言われています。演奏する曲によって使用する打楽器は異なるので、打楽器パートの担当になった場合には多くの楽器を演奏することになります。打楽器のほとんどは学校の備品であることが多いため、基本的に打楽器パートの場合には楽器の購入はありません。ただ練習のために自分用のドラムスティックと練習台の練習パッドを購入することが多いです。打楽器は自宅に持ち帰ることはなかなかできませんが、練習パッドであれば大きな音も出ないので自主練習をすることができます。
●料金の目安/ドラムスティック1000円〜・練習用パッド4000円〜
2)教本
教本とはそれぞれの楽器に対する基本的な知識や、楽器の構え方運指法(演奏する際の指づかい)などが解説されている本です。効率的な基礎練習の方法や練習用の楽譜が付属されているものなどがあります。学校で各楽器ごとに揃えて部室などに置いてある場合もありますが、初心者の場合には1冊自分用に持っていると練習で困ったときなどにも便利です。担当の楽器が決定したらお手入れセットと一緒に購入する部員も多いです。
●料金の目安/教本1000円〜
最後に
吹奏楽部で必要なものは学校や担当楽器により細かく変わってきます。入部してしばらくは全部の楽器を一通り体験し、その後希望を募ったり顧問の先生が適性を見て割り振ったりします。楽器の担当が決定したら、部活に必要なものを確認して準備をしましょう。